こんにちは、つまおです。
2019年5月24日付けの東京金融取引所から「取引所株価指数証拠金取引における現行商品の上場廃止と新商品上場について」という案内が出まして、くりっく株365で取扱う商品が、1年決済が必須となるとのことでここにまとめておこうと思います。
くりっく株365とは
東京金融取引所に上場する株価指数証拠金取引の愛称です。(東京金融取引HPより引用)
あまり馴染みがない方もいると思いますが、取引所との取引が可能な金融商品となっており、代表的な4つの株価指数を対象に証拠金取引が可能になっています。
上記図は、東京金融取引所のHPから参照しております。
株価指数への投資を行う場合、投資信託やETFで買うのが一般的だと思いますが、このくりっく365株では、証拠金取引のためレバレッジをかけた取引や売りから入る取引が可能という特徴があります。
取引自体は、取扱証券会社にくりっく365株の口座を開設し、口座に入金することで可能となります。私は、SBI証券と岡三オンライン証券を利用していました。
くりっく365株の魅力
最大の魅力は、イギリスの株価指数であるFTSE100の「配当金」にあると思います。現物の個別株で配当金が出る感覚で、このくりっく365株でも配当金が発生します。
加えて、FTSE100は、ダウや日経225と比べ配当金が高くなっています。
(ドイツの株価指数DAXだけ、配当金込みの株価指数のため残念ながら配当金が発生しません。)
さらに、証拠金取引のため2~3倍程度の低レバレッジをかけることでより配当金のリターンを高めることが可能な商品になっています。
私も年間損益計算表を確認したところ、2017年、2018年と以下の様な利益を上げていました。
配当金以上に決済による利益が大きかった結果ですが。
証券会社名 | 2017年 | 2018年 |
SBI証券 | 249,740 | 162,075 |
岡三オンライン証券 | – | 14,107 |
今回の変更内容
配当金狙いで、比較的長期保有しつつ価格が高くなったときに売り抜くのに適していた金融商品だったのですが、今回の変更で12月決済必須の商品に変更されることなりました。
結果、以下影響が発生することが想定されます。
1.含み損状態での決済
含み損を抱えた状態で12月決済を迎えた場合に、損失の確定が行われてしまいます。そのため、価格が安い年に仕込んで、何年も保有し利益を出す長期投資目的には適さない商品となります。
2.決済時の手数料負担
決済による手数料負担もかかってくることが予想されます。決済後にまた、新規玉を取り直す際にも、購入手数料がかかってくる見込みです。
そのため、購入価格を複数に分散させ、安くなったときに追加購入などしていた人にとっても、その戦略を取る場合に手数料負担が痛手になる想定です。
以前あった変更内容
くりっく株365の魅力が下がる変更は、以前にもありまして、そのときに追加購入はせず、全て売りぬく方向に方針転換したことがあります。
それが、2017年12月から適用された「海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について」というものになります。
簡単に言えば、日経225以外の海外の株価指数に毎営業日金利負担をかけるというものです。これで、収益が落ちることが確定しました。
上記、2018年のFTSE100の配当金と金利の表になりますが、3万円分の配当があっても、8,000円以上の金利負担が発生していることが分かります。
70万円のレバレッジ3倍で23万円で、FTSE100を運用した場合、2.2万円程度の配当金が貰えるので、9.5%程度のリターン計算になります。ただし、価格変動が無い前提での計算になります。
投資先としてどう判断するか
個人的には、改悪と捉えることができる出来事が2回もあったので、今後も何らかの改悪が続くと予想しています。
投資の分散先が減るのは痛手ですが、それ以上に投資家にとって魅力的ではなものには自分のお金を預けたくないので、今後は開示情報を傍観する方針で行こうと思います。